ここでは、糖尿病内科・内分泌代謝内科の役割や、当院での治療体制についてご紹介します。
糖尿病内科とは
糖尿病内科は、糖尿病の専門的な診察・治療を行う内科です。糖尿病には、主に以下のような種類があります。
- 1型糖尿病
- 2型糖尿病
- その他の糖尿病

厚生労働省の「令和4年の国民健康・栄養調査」によると、糖尿病が強く疑われる人と、糖尿病の可能性が否定できない人の数は、合わせて約3,000万人と報告されています。
糖尿病は、早期発見と早期治療が大切であり、定期的な健康診断も推奨されます。
定期的な血糖値のチェック、適切な食事、運動、薬物療法が不可欠です。
内分泌代謝内科とは
内分泌代謝内科とは、ホルモンバランスの乱れによって起こる病気を専門的に診る診療科です。
内分泌ホルモンは体内の特定の器官(内分泌腺)から分泌されます。これらのホルモンは、体のさまざまな機能を調整し、バランスを保つ役割を果たします。
ホルモンが過剰に分泌されたり少なすぎたりするとさまざまな不調につながる可能性があります。
主な内分泌腺とホルモン
甲状腺ホルモン | エネルギー代謝を助け、体温調節や心臓の機能をサポートする。 |
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副腎皮質ホルモン(コルチゾール) | ストレス反応を調節し、免疫機能を維持する。 |
下垂体ホルモン | 体の成長、代謝、ストレス反応を調節する。 |
性腺ホルモン | 性別に関連する発育や健康を維持する。 |
内分泌ホルモンは、体の成長、代謝、ストレス反応、生殖機能など、多くの生理的プロセスに影響を与えます。これらのホルモンがバランスを取ることで、健康な生活を維持することができます。
また、ホルモンと一見無関係と思われる病気(糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満症、骨粗鬆症)も、ホルモンの乱れが影響していることが少なくありません。
当院の診療体制
当院では、高い専門チーム医療によって、患者さん一人ひとりに合った治療を提供しています。
糖尿病内科専門医、内分泌代謝内科専門医・指導医が診療
内分泌疾患は、病気を見分ける鑑別や病名を確定する診断に、高度な専門性が求められる分野です。たとえば「最近疲れやすくなった」「体重が急に減った」などの症状がある場合、糖尿病やホルモンの異常が隠れているケースもあります。専門医による診察では、こうしたサインを見逃さず、病気の早期発見につなげることが可能です。
糖尿病診療は、近年治療法や機器がめざましく発展しています。
- 薬物療法の進歩
- SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬などの新しい薬は、血糖値のコントロールだけでなく、心血管疾患や腎臓保護にも効果があります。
- 最新の機器
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- 持続血糖測定器(CGM):体に装着したセンサーによってリアルタイムに血糖の動きをみるシステムです。血糖値の変動に対し、早めに対応することができます。
治療意欲の改善にもつながる可能性があります - インスリンポンプ:機器を使ってインスリンを皮下へ注入し、体内に投与する治療法です。インスリンポンプを体に装着し、簡単なボタン操作で必要な量のインスリンが注入できます。より自然な血糖コントロールを可能にします。最新の機種では、基礎インスリン量を自動調整してくれる機能が備わったものもあります。また、低血糖や高血糖の可能性があることをアラートで知らせてくれたり、低血糖時の可能性があるときにはインスリン注入を停止してくれたりする機能もついています。
- 持続血糖測定器(CGM):体に装着したセンサーによってリアルタイムに血糖の動きをみるシステムです。血糖値の変動に対し、早めに対応することができます。
- 最新の機種では、基礎インスリン量を自動調整してくれる機能が備わったものもあります。また、低血糖や高血糖の可能性があることをアラートで知らせてくれたり、低血糖時の可能性があるときにはインスリン注入を停止してくれたりする機能もついています。
静岡の中核病院で培った最先端の知識と経験を活かした高い専門性を備えた診療を提供できることが当院の特徴です。
糖尿病治療に特化した看護師、栄養士、検査技師によるチーム医療
糖尿病は、症状が乏しいことから、「サイレント・キラー」とも呼ばれています。しかし、適切な管理と治療を行えば、合併症を防ぎ、健康な生活を送ることが可能です。血糖値の厳格なコントロールは、以下のような合併症を予防するために非常に重要です。
腎不全 | 進行すると透析が必要になることがあります。 |
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視力低下・失明 | 糖尿病網膜症によるものです。 |
下肢の切断 | 血流障害や感染症が原因です。 |
心筋梗塞・脳梗塞 | 動脈硬化が原因となります。 |
癌 | 特定のタイプの癌と関連があることが報告されています。 |
認知症・骨粗鬆症・歯周病 | 糖尿病がリスク要因となることが示されています。 |
当院では、糖尿病の患者さんが安心して治療を続けられるよう、糖尿病治療に特化した看護師・栄養士・検査技師が一体となったチーム医療を提供しています。
患者さん一人ひとりの状態をしっかり把握しながら、専門的な治療を提供する体制を整えています。糖尿病の管理で日常生活に不安がある方は、お気軽にご相談ください。
HbA1c、甲状腺ホルモンなど検査当日に結果をお知らせできる体制
当院では、糖尿病管理の指標となるHbA1c(精度の高いHPLC法を使用しています)や、甲状腺ホルモンの検査結果を当日中にお知らせできます。診断までの待ち時間が短縮されるため、異常が確認された場合は早めの治療や生活改善につなげることが可能です。
また、入院治療が必要と判断される場合は、スムーズに近隣の総合病院へご紹介しています。緊急度が高い場合でも、適切な医療を迅速に提供できる治療体制を整えています。
合併症のリスク因子も総合的に評価
当院では、糖尿病だけでなく、動脈硬化性疾患などの合併症リスクも総合的に評価しています。
糖尿病は血糖値が高い状態が続くことで血管がダメージを受けやすく、心臓病や脳卒中などさまざまな合併症が起こる危険性があります。
合併症を防ぐためには、定期的な検査や危険因子の早期発見が重要です。気になる症状がある方は、まずは当院にご相談ください。